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joplus

Author:joplus
「もっと世界を見てみたい!」
という単純な理由で、
世界経済危機をものともせず…
否、ただ歯止めがかけられず、
会社を辞めて旅に出た浅はかな男。

でも、いつ終わるかわからない人生、
やりたいことをやりたい時に、
楽しめるだけ楽しまないと♪
…と、勝手に開き直ってる若造です。

たくさんの「違い」に出会うため、
風と気の向くままに歩き回ります。
キーワードは、「自然体」。
できるだけナチュラルな心で、
「違い」で溢れた世界に浸って来たいと思います。

(画像 : photo by たびかめ氏)

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青と白の町、再び
朝10時、セットしていた目覚ましが鳴った。
正直なところ寝足りなかったが、もう1日フェズに滞在する気にはなれなかった。
シャワーを浴びて目をこじ開けた後、急ぎ足で近くの両替所へ行って現地通貨を作り、
チェックアウトの12時前に慌しく支払いを済ませて宿を後にした。

「この時間、シャフシャウエンへの直通のバスは無い。」
正午にフェズのバスターミナルに行くと、チケット売り場のおっちゃんにそう言われた。
一昨日までノリノリ方向だったリズムが一気に狂ってきているのを感じながら、
今乗れるバスでどのぐらい近くまで行けるのかを尋ねると、「5km手前」とのことだった。
最後はヒッチでも歩きでもどうにでもなる距離だと思い、とにかく乗り込む。

夕方17時前、バスが止まった場所は、シャフシャウエンの町の「9km手前」だった。
バスを降りた場所に乗合タクシーが数台止まっていて、
5ディラハムで町まで連れて行ってくれるらしい。
が、僕はこれを断った。
バスで爆睡した後で変にテンションが上がっていたのもあるが、
何より昨日のモヤモヤを吹き飛ばしたかった。
涼しくなっている時間帯だし、歩けない距離じゃない。
500ディラハムの酒を飲んだ後に、100分の1の値段をケチる自分が自分で可笑しかったが…。

町までは延々上り坂。
ギッシリ詰まったバックパックを背負ってのトレッキングだったが、
高原の心地良い空気の助けもあって、全く苦じゃなかった。
この旅に出て、だいぶ足も丈夫になったんだな。

…と思っていたら、疲れは翌日にしっかり来た。
筋肉痛には至らないものの、一歩一歩足にダルさが残り、体がズッシリ重たく感じる。
シャフシャウエンは丘の地形の中に作られた町で、この日はかなり苦しい町歩きになってしまった。

メディナ(旧市街)の中は、「メルヘンチック」と聞いていた評判通りだった。
青と白の清々しい色に統一された街並み。
…と言うと、どうしても先に訪れたエッサウィラを連想・比較してしまうのだが、
エッサウィラが海の町なら、シャフシャウエンは山の町。
エッサウィラに潮の香りがあるなら、シャフシャウエンには高原の風がある。
エッサウィラに新鮮な魚があるなら、シャフシャウエンには豊かな水がある…エトセトラ。
確かに「青と白」という点では同じだが、
見方によっては対称的で、甲乙付け難い魅力があるように思う。

メディナの様子。ここまで色が統一されてると、街全体が芸術作品のように感じる。
青と白の空間①@シャフシャウエン
青と白の空間②@シャフシャウエン
青と白の空間③@シャフシャウエン

アートな路地。
アートな路地@シャフシャウエン

気になる入口。
気になる入口@シャフシャウエン

町全体の展望。
シャフシャウエン展望①

もういっちょ。馬と一緒に。
シャフシャウエン展望②

これはオマケ。砂漠ではちょくちょく見かけたけど、こんな山の地域にもいるんだねぇ。
フンコロガシ君@シャフシャウエン

------------------------------

モロッコの旅もいよいよ大詰め。
明後日24日にはスペインに渡り、ヨーロッパの旅が始まる予定。

モロッコは小さい国(それでも、日本より少し大きいのだが…)だけど、
今まで訪れた国々よりも少し長い時間を取って回ってみて、これが結果的に良かったと思う。
僕が滞在した3週間強の日数でも、
賑やかな商業都市、潮風の香る港町、オアシスの村、
砂の大地、山奥の秘境、緑豊かな高原…、実に多彩な顔を見せてくれた。
それでも、まだまだ魅力がたくさん隠れているような気がする。いや、そうに違いない。

疲れを感じる時(主にツーリスティックな大きな街で)もあったが、
半分以上は自分の気分の問題だったし、
あの商売人たちの熱気(時に本気で迷惑な連中もいたけれど)もまたモロッコだから、
それもまた見られて良かったとは思っている。

エジプトのルクソール辺りから、良くも悪くも徐々に自分の色が出てきてしまったような気がする…。
一言で言うなら、ヒネクレ者だな。人と違う路線に喜びを感じる変な奴なので。
ただ、自分でもちょっと不安なのは、ここ最近、カイロ、マラケシュ、フェズと、
個人的に苦手意識を持ってしまう街が続いてきていること。
元々人の多い環境が得意じゃない人間ではあるのだけど、
もし人との交流そのものが億劫になってきてしまったら、
1つ旅の大事な部分が抜けちゃうような気がする。

長く旅をすることが大事なわけじゃないから、
これじゃダメだな、リフレッシュが必要だなと判断したら、
そこで一旦旅を終了するのも選択肢なのかもしれないね。
旅を3ヶ月単位で区切って、日本で休息期間を置いてまた出発…というスタイルの人がいて、
なるほどなぁと思った。
今はまだそこに踏み切る必要は無いと思ってるけど…、
時間を無駄にすることだけはしたくないので、ちょっと頭の片隅には置いておこう。

さぁ、ヨーロッパ!美食と美酒が待っている♪

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旅日記-モロッコ | 22:00:00 | トラックバック(0) | コメント(0)
流され過ぎて…
バスターミナルに到着した時から、頭痛がしていた。
既にこの時点で、僕はフェズの町に嫌われていたのかもしれない。

約1,200年の歴史を持つフェズの旧市街 ― フェズ・エル・バリ。
その迷路っぷりは、マラケシュのそれをも上回る。
頭痛に負けじと、迷路の中に飛び込んではみたのだが…、
やっぱりマラケシュもそうだったように、ツーリスティック過ぎるんだよなぁ。

例えば、こんなことがあった。
適当にぶらぶらしていたら、川沿いになめし革の職人が集まる地区に出た。
川を跨いだ反対側から雰囲気を楽しんでいたら、
「こっちに来て見て行けよ!」と1人の職人から声が掛かる。
彼は、中の仕事場を隅々まで丁寧に案内してくれた。
でも、こういう職人の仕事場を、普通見知らぬ観光客に喜んで見せたりするだろうか?
と考えると、チップの要求が来るかもなぁ…と思っていたら、やっぱり来た。
途中で「フリーか?」と聞いたら、ウンウン頷いていたのだが…まぁそれは伝わってなかったのだろう。

結局、そういう場所までツーリスト向けになってしまっているわけだ。
こうなると、なんだか「見せられている」感じがしてつまらない。
クソ暑い中、馴れ馴れしい日本語で声を掛けてくる連中も次から次に現れる。
ダメだ、頭痛が増す一方だ…。

夕方になって、ネットカフェを探していた時に、ある青年に場所を案内してもらった。
別れ際、彼は新市街で今夜開かれるというパーティに僕を誘ってくれた。
夜7時頃~深夜遅くまでやっていると言うが、この日はブログのアップも調べものもしたかったから、
長くネットするつもりでいたので、この時は一旦断った。
ネットを終えると、もう22時近かった。
道も暗くなってきたので、急ぎ足で宿に向かうと、さっきの彼が宿の前にいるではないか。
偶然、これから友達の車でパーティに向かうところなのだと言って、再び僕を誘ってくれた。
ただ、宿のおじさんに確認すると、0時には入口を閉めると言われた。
もうあまり時間が無いし、やはり断ろうと思って青年に伝えたところ、
「1時間でも十分楽しめるさ。帰りは送ってあげるから。」と言う。
このままフェズを楽しめずに終わるより、行ってみるか!(ビールも飲めそうだし)
酔っ払って忘れたらいかんと思い、バッグを部屋に置いてから、手ぶらで彼らの車に乗り込んだ。

先に1人の友人を家まで送り届けていたら、既に23時を回っていた。
0時に帰るためには、もう時間が無い。
酒が入ったらどうでも良くなってしまいそうな気がして、やっぱり帰らせてもらおうかと思った。
が、「彼(宿のおじさん)は友達だから、僕が頼めば何時でも開けてくれるさ。」と言う。

どんな話の流れだったかは忘れたが、気になるパーティの値段の話になった。
「行く場所によって色々あるから…」というようなことを言う。
この辺で、僕らが向かっているのは「パーティ」じゃなく、
どこかの「バー」か「クラブ」なんだなと思った。そりゃ店によって金額は違うわな。
そうなると、できるだけ安い場所に行きたかったのだが、
彼の言う一番チープな店は、1人あたり「500ディラハム(=約6,000円)」とのことだった。
僕がモロッコを旅していて、1日で使っていた金額の平均が、約2,000円。
正直言ってかなり痛い額だったし、この時点で半分ぐらいヤケになっていた僕は、
「500ディラハム以上は必要無いことを確認」して、この金額で突入することにした。
お金を渡すと、僕の財布の中身はほぼ空っぽだった。

店の中は、やはり「バー」に近い雰囲気だった。
写真は禁止と言われ撮れなかったが、
旧市街に暮らす人よりは小奇麗な服を着た若者やおじさんたちが、
ビールやジュースを飲み、水タバコを吸い、モロッコ音楽に乗って踊り歌い、友人同士で語らい、
思い思いの時間を過ごしているようだった。
ここで出された「フラッグ」と言う名前の瓶ビールは初めて飲んだが、
しっかり冷えてはいたものの、コクが無く物足りない味だった。
ツマミもサラダや魚のフライなど、街中で100円も出せば買えそうなものばかりで、実にチープ。
まだ10歳にも満たなそうな子どもが働く旧市街のすぐ隣に、こんな遊び方をしている人たちがいる。
軽く酔いが回ってきた目で、ぼんやりとその様子を眺めていた。

「もっと楽しい場所に行こう」と言う青年の誘いを断り、帰りの車に乗り込んだ。
その途中、「2回目のビール代、200ディラハムをくれ。」と言われた。
たしかに、瓶ビールは氷が入った大きな入れ物でまとめて出され、
1回「おかわり」をしたのは見ていた。
それにしても、瓶ビールは町で買えば1本10ディラハム前後。
酒場で飲んだ分高くなるのは仕方ないとして、仮に1本20ディラハムとしよう。
それだって、1回で出されたのはせいぜい10本=200ディラハムだ。
全額俺が払えってことか?
第一、初めに「500ディラハム」以上は必要無いことを確認したじゃないか!

実は、途中から怪しいとは感じていた。
彼らは、全ての飲み代を僕に払わせて遊ぶつもりなんじゃないかと…。
どう考えても、あの内容で500ディラハムは高過ぎる気がするし、
彼の発言一つ一つも、捉え方によってはいくらでも悪い方向に捉えられた。
けど、せっかくこの町に来たのだから何か一つでも面白いことがしたい気持ちがあった。
また、彼らを勝手に信用して、ここまでノコノコ付いて来た自分にも責任はあるのだから、
半信半疑ながら騙されていることも覚悟で、500ディラハムまでは払うことに決めたんだ。
でも、それなのに、その上まだ約束を破ってまで金を取ろうとする態度に、
腹の底から怒りが沸いてきた。

汚い言葉だらけの口論になったが、運良く車はもう宿のすぐ前に来ている。
僕は車を飛び出し(当然200ディラハムは払わず…と言うか、持ってないし)、宿の方へ走った。
しかし、この時の時刻は既に2時を回っていた。当然宿の扉は閉まっている。
今更彼らを頼る気は更々無かったが、どうせ「宿の主人は友達」発言もウソだったろう。

途方に暮れているわけにも行かない。
さすがにこの時間に、人気の無いこの場所に1人でいるのは危険に感じた。
明るい場所を求めて、暗い旧市街の中を行く。
昼間は人でごった返していた商店街なのに、嘘のような静けさだった。

路地に数人でたむろしていた男たちが、小走りで歩く僕を呼び止めた。
その声に危険な響きが無かった(頼りない感覚ではあるが…)ため、
僕は呼ばれるままに歩み寄ることにした。
彼らは、夜の警備をしているのだと言う。
が、なぜかバラ売りするタバコやハシシ(大麻)を持っていて、怪しい感じもあったが…、
薄着の僕に上着を貸してくれたり、冷たい石の上にクッションを置いてくれたり、
とてもとても温かかった。
ただ、自分がすごく惨めな気分でもあった…。

1時間ほど経った頃だったか、さっきの「奴ら」の車が通りがかった。
僕を探していたのかどうかはわからないが、
この期に及んで「宿に連れて行ってやるから、乗れよ。」と言ってきた。
もうコイツ等に関わるのはゴメンだ。
徹底的に無視する僕に対して、何か叫ぶように言っている。
すると、自称「警備員」の彼らが、僕の代わりに奴らを追い払ってくれた。

怒り、感謝、悔しさ、温かさ…僕の頭の中はもうぐちゃぐちゃだ。
涙が出そうなのを堪えながら、新しい「仲間たち」と共に、長い夜が明けるのを待っていた。

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旅日記-モロッコ | 20:15:00 | トラックバック(0) | コメント(2)
This is 「風の向くまま・・・」
次の目的地はフェズ。イミルシルからはちょうど北東の方向になる。
東側のリッシュに戻ってバスを乗り継ぐつもりでいたが、
イミルシルの地元の人に話を聞いたところ、北側に抜ける乗合タクシーがあるらしい。
距離的に近いのか、やたらそちらを勧められたので、
まぁせっかくだから違う道で行ってみたいなと思い、トライしてみることにした。

リッシュからの道よりも、より急勾配で荒々しい。
山の急斜面に開かれた道は、迫り出す岸壁と、深い谷の間をうねって行く。
時々、未舗装の道が山の方へ続いているのを見かけた。
数日をかけてアトラスの山々を渡っていくコースがあるらしいのだが、
きっとその道を行くのだろう。面白そうだ…。

乗合タクシーは、アグバラという小さな村で停まった。またも地図には無い場所だ。
そこから、ケニフラという幹線道路沿いの町へ向かうバスに乗り継ぐ。
今度は車窓が一変して、北海道の美瑛を思わせるような、
緑と花で溢れるのどかな丘の風景があった。
自分でドライブかサイクリングで来てみたかった…。

ケニフラからフェズ行きのバスは1日に何本も走っているようだった。
今一つ良い宿が見つからなかったため、ネットで時間を潰して夜行に乗ろうかと考えていた。
とりあえず腹ごなし…と適当に見つけた食堂へ入ったところ、英語が全く通じずちょっと苦戦。
身振り手振りでやり取りしていたら、たまたま英語が堪能なおっちゃんが横から現れて助けてくれた。
これがきっかけでこのおっちゃんと親しくなり、この日は彼の家に泊めて頂けるという話になった。
香り高い自慢のお茶を出してくれたり、ヤギ肉と緑野菜の特製タジンを振舞ってくれたり、
何から何までお世話になってしまった。

彼はちょっと変わり者で、過去に10年間、森の中にテントやキャラバンで住んでいたらしい。
マラケシュやフェズのような騒がしい大きな街が嫌いで、
このケニフラのような素朴な小さな町や、自然に囲まれた場所が好きだとか。
その辺は、僕とちょっと共通しているものを感じる…。
そんな彼が、この近くにあるという美しいポイントを教えてくれた。
またしても、ガイドブックには道すら示されていない場所。
タイムロスしてばかりだが、ここまで来たら、もういっちょ寄り道しちゃおう!

彼が日本語に興味を示していたので、Tシャツをプレゼント。
山人なおっちゃん@ケニフラ
お古で申し訳なかったが、喜んでくれた。「山人」、ピッタリでしょ?

翌朝、彼が教えてくれた乗合タクシーに乗って、ケニフラの町を後にした。
目的地の7km手前で降り、そこからは地元の人と一緒にヒッチハイク。
森の中を抜けていくと、パッと視界が開け、羊達がのんびりと草を食む草原に出た。
さらに走ること数分、目的地のアグィルマムに到着した。

たしかに、自然好きの彼が勧めるだけのことはある。
鮮やかな緑色の湖面(と言うよりは、池かな)が、山の風に吹かれて静かに波を立てていた。

この色は、中国の九塞溝で出会って以来かなぁ。
宝石色の湖@アグィルマム

通りすがりのおじさんをモデルに。
通りすがりのモデルさん@アグィルマム

人さまの乗り物をモデルに。陽の角度によって、色が変わる。
人さまのバイク@アグィルマム

釣り人をモデルに。
釣り人@アグィルマム

切り株をモデル(?)に。
切り株@アグィルマム

草を食む羊たちをモデルに。
草を食む羊たち@アグィルマム

例によって、名前は知らない…。
名前も知らない花@アグィルマム

湖の近くの平原で。目が合っちゃったね。
目が合っちゃった@アグィルマム

まさに「知る人ぞ知る」って言葉通りの場所だった。
今までに訪れた日本人はいるんだろうか…?

帰りはアズルーという町に抜ける別ルートを取った。
結局この日は、3台の車をヒッチハイクした。
元々ミニバスや乗合タクシーが無い道と聞いていたので、そのつもりではいたのだけど、
そんな場所でも「なんとかなる」と思っている自分がいる。
ほんの少し前まで、ヒッチなんて経験したこともなかったのにね。
「なんとかなる(できる)」予感と、実際に「なんとかなっている」現実が上手く結びついて、
ちょっとした自信に繋がってきている。
なんだかここに来て、楽しいリズムに乗ってきたかも。

オマケ。そんな物欲しそうな目で見ないで~?
物欲しそう(?)な少年

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旅日記-モロッコ | 21:00:08 | トラックバック(0) | コメント(0)
秘境と呼ばれる村
砂漠の世界から、一気に山岳地帯へ。

アトラス山脈の奥地、標高2,600mに小さな村があるという。
ガイドブックによると、先日訪れたティネリールから道があるようだったが、
何人か地元の人に話を聞いたところ、
ティネリール発のバスは1日1本あるか無いかで、道も悪く時間がかかると言う。
代わりに、東側のリッシュという小さな町からアクセスする方がベターだという情報を得た。
地図を見ると、リッシュの町は砂漠からフェズに向かう際に通る道の途中にあった。
ただ、道が新しいのか、リッシュからイミルシルへ至る道の存在は地図には記されていなかった。
地図に無い道を行く…、これは面白い。
現地情報を信じて、リッシュ経由のルートにトライしてみることにした。

リッシュに行くバスは容易に確保できたが、町に着いてからの情報が何も無い。
とりあえずその辺の人に聞き込みしてみると、あっさりイミルシル行きのミニバスが見つかった。
満員になり次第発車するバスだが、後で聞いたところによると、1日5~6本は走っているようだ。

道は狭いながら、ほぼ100%舗装されていた。
秘境と呼ぶにはちょっと微妙かな?なんて考えていたが、
車窓から見える景色は、花で溢れた草原あり、牧歌的な田園あり、荒々しい山肌あり、
なかなかの見応えだった。

イミルシルへは、約3時間で到着。
バスを降りると、高山の冷たい風が吹き抜けて、慌てて長袖を着込んだ。
10分も歩けば端から端まで行けてしまう程の狭い村落だが、
村の中心には、レストランを兼ねた安宿が数軒あった。
来月から始まる夏がシーズンのようで、今はほとんど宿泊客がいない様子。

この村にはインターネットが無かった。
旅に出て以来、どんな小さな村でも、それこそ砂漠の真ん中のオアシスでも、
僕が泊まった場所にはいつもネットカフェが存在していた。
日本の田舎と比べたら、その軒数は圧倒的に多いだろうと思う。
パソコンの個人への普及率が低いことも要因だと思うけど、それにしても驚かされることだ。
中国もそうだったが、数十年前に経済成長を遂げた国々とは、まるで順序が違うんだなぁと感じる。
それでも、さすがにこの山奥までは届いていなかったか。
砂漠の記事をアップしたかったので、ネットを使いたい気持ちはあったのだが、
それよりも、ついに未着の地を見つけたことが逆に嬉しかった。

翌日は、朝から市場が開かれていた。
近隣の村々からも人が訪れているようで、なかなかの盛況。
僕はその中をぷらぷらした後、村を抜けて散歩に出掛けた。

こんな家に住んでみたいねぇ…。
平原の一軒家@イミルシル

ここが散歩の目的地。詳しい道は聞いてなかったけど、辿り着けた。
名前も知らない湖①@イミルシル
名前も知らない湖②@イミルシル

昼過ぎに村に戻って来ると市場が終わっており、「がらん」としていた。
人もまばらで、レストランの外で数人のおじさんがのんびりお茶を飲んでいるぐらい。
南東側にある畑の方に5分も歩いていくと、草取りに励む女性たちが見える。
聞こえてくるのは、風の音と虫の音。それと時々、遊び回る子どもの声。
緩やかに緩やかに、どこまでもゆったりとした時が流れていた。

農道から、村の展望。
イミルシル展望

畑のおじさん。
畑のおじさん@イミルシル

草取りの風景。
草取り風景@イミルシル

お腹出てますよ~?
お腹出てますよ?@イミルシル

今回は虫を撮ってみた。
テントウムシ君@イミルシル
ちょうちょさん@イミルシル

イミルシルの春は短いそうだ。
僕は偶然その時期に当たったらしく、
たくさんの花や緑で溢れた村の風景が見られて、ラッキーだった。

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旅日記-モロッコ | 20:20:43 | トラックバック(0) | コメント(0)
砂嵐の先に…
夕方16時半。
砂漠ツアーへ向かうラクダ達がやって来た。
が、空には低い黒雲たちが見事な寒冷前線のカーブを描き出していて、
それを辿った先の北の空には、今まさに空気を吸い込み膨らんでいく入道雲の姿があった。
上空の風を見ると、まっすぐこちらに向かっている。
大きな不安を感じながらのツアースタートとなった。

歩き出して30分程経っただろうか。
空は一面鉛色に変わり、嫌な冷風が吹き付けてきている。遠くでは雷鳴も轟き始めた。
こんな木も無い砂漠のど真ん中で、鉄の取っ手を付けられたラクダに乗っている自分。
雷様の格好のターゲットじゃないか!
さすがにビビリ始めた自分。
しかし、ガイドのおじさんに引き返す様子は全く無い。

間もなく、砂嵐がやって来た。
目も開けられないほどの、猛烈な勢いで吹き付ける砂のつぶて。
それでも、ラクダは真っ直ぐに前を見つめ、着実に歩を進めていく。
普段あんなにのんびりして見えるラクダが、こんなに頼もしく感じるなんて…。
風下を向きながらふと空を見ると、上空の風向きが変わっていた。
雷を落としている雲は、前方に進んでいる。
まさか、ここまで読んでのツアー決行とルート取りだったのだろうか…?
だとしたら、すごいぜ砂漠の民!
砂の大地の過酷さと、そこに生きる逞しさを、同時に見た。

そして、西の空から青色が広がってきた。
そしてそして、光が届いたとほぼ同時に、映し出された七色のアーチ。
奇跡の瞬間に立ち会ったような気分だった。
自然の創り出す一瞬のアートのど真ん中に、僕たちはいた。
感動したと言うより、興奮したよ。ものすごく。

大地は金色、空には七色。
7色のアーチ@メルズーガ

しかも、ダブルアーチ。デカ過ぎて僕のカメラでは全体が撮れなかったけど、綺麗な弧を描いていた。
7色ダブルアーチ@メルズーガ

虹に向かって…。
虹に向かって…@メルズーガ

みんなの影。
みんなの影@メルズーガ

一仕事を終え、のんびりモードに戻ったラクダ達。お疲れさん!
お仕事お疲れ様なラクダ達@メルズーガ

砂漠に闇が迫る…。
闇が迫る@メルズーガ

夜は特製のタジンを食べ、砂に寝転がって星空を眺めて…。
エジプトの砂漠ツアーで体験したことと同じではあるけれど、何度やってもイイものはイイ!
この日も素晴らしい星空だった。

朝ですよ。
サハラの朝@メルズーガ

できたての風紋。
できたて風紋@メルズーガ

お目覚めのラクダさん。
お目覚めラクダさん@メルズーガ

砂漠小屋。
砂漠小屋@メルズーガ

グリグリな曲線。
グリグリ曲線@メルズーガ

本日は、青空に向かって…。
本日は、青空に向かって…@メルズーガ

少年ガイド。今はまだ見習い中らしいけど、頑張ってたよね。
少年ガイド(見習い)@メルズーガ

ガイド親子。数年後には、世代交代するのかな?
親子ガイド@メルズーガ

宿に戻ったら、朝ご飯が待っていた。タジン鍋で焼き上げた特製オムレツ♪
ベルベルオムレツ@ハッシュビルド

夕方、再び砂丘へ。さすがに一番高い丘に登る気力は無かったけど…。

この日は雲の掛かり具合が絶妙。ちょっと滲んだ夕陽。
滲む夕陽①@メルズーガ
滲む夕陽②@メルズーガ

My 足跡。
My 足跡@メルズーガ

恒例(?)のシルエット達。
ヤシの木シルエット@メルズーガ
貯水タンクシルエット@メルズーガ

砂丘を抜けて村に戻ると、なんだか暗い?
ちょっと道に迷いつつ宿に戻ると、中はロウソクの明かりだけがぼんやりと灯っていた。
そう、村全体が停電。
この地方では珍しいことではないと聞くけれど、僕がモロッコに入ってからは初めてだった。
元々静かな村だけど、より一層静寂が増したように感じる。

そんな中で、ちょっと遅れて夕食が運ばれてきた。
揚げ立てサクサクでホクホクのコロッケ♪
「ご飯が炊けなくて…」と、食事を用意してくれた方が申し訳なさそうに仰っていたけれど、
暗い中でこんなに温かい食事を作って頂いて、感謝の言葉しか浮かばない。
ロウソクの淡い明かりの中、写真を撮るのも忘れて、夢中で食べた。

優しい明かり。
優しい明かり@メルズーガ

こんな夜の時間もまた、ゼイタクだなぁと思う。
最初から最後まで、砂漠の世界を濃密に感じることのできた3日間が終わった。

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旅日記-モロッコ | 20:00:24 | トラックバック(0) | コメント(0)
ハードな砂丘散歩
宿を予め確保しておいて本当に良かった。
サハラ砂漠の宿やラクダツアーの客引きは、想像以上の「あの手この手」ぶりだった。
基点となるエルフードやリッサニでバスを降りると、そこら中から日本語が飛んでくる。
比較的大きい金額が動き、競争が激しいこのツアー。
彼らも生活が懸かっていて、必死なのはわかるよ。
でも、「(僕が泊まる予定の)その宿の人は今いないよ。」など、
旅人を惑わすウソをガンガン使ってきたり、
過剰にボディタッチをしてきたり、こちらが強く断ると汚い言葉が飛んできたり、
ちょっとやり過ぎな奴らが多い。

そんな連中を何とかかわして、公共の乗合タクシーに乗り込んだ。
リッサニの町を抜けると、すぐに砂丘が見えてくる。
砂のサハラは、想像していたより赤かった。
行ったことは無いが、写真で見るエアーズロックの色を連想した。
もちろん時間帯や太陽光の加減で目に見える色は大きく変わるのだけど、
聞いたところによると、砂丘は古いものほど赤みが増すものらしい。

夕方、涼しくなってきた時間帯を見計らって、近くの砂丘に登りに行った。
砂丘を登るのはしんどいと聞いてはいたが、実際これはかなりキツい。
鳥取砂丘の比じゃなかった。たぶん、砂の乾き具合が全然違うのだろう。
砂に足が沈み込み、滑り落ちる「ムダ」が大きいため、一歩で進める距離が極端に短い。
さらに、砂から足を抜く際に掛かる砂の重みが、一層足を疲れさせる。
頂に辿り着いた時には、僕の太腿は大量の乳酸でパンパンになっていた。

1泊2日のラクダツアーを翌日に控えていたが、初日から十分に満足な風景を堪能してしまったぞ。

砂の滑らか曲線。
滑らか曲線@メルズーガ

夕暮れ間近、輝く砂丘。
輝く砂丘@メルズーガ

砂漠の民が行く。
砂漠の民が行く@メルズーガ

一緒に丘を登りきった皆さま。みんないい顔してますな。
夕陽確認隊の皆さま@メルズーガ

ソリで砂を滑ってみた御方。残念ながら、滑り具合は今一つだったかな…。
砂滑り!@メルズーガ

本日も、1日ありがとう。
確認した夕陽@メルズーガ

これは翌日に撮ったもの。泊まった宿のある小さな村の様子。
静かな村の昼下がり@ハッシュラビド

癒しの水がめ。
癒しの水がめ@ハッシュラビド

何のポーズかな?
何のポーズかな?@ハッシュラビド

砂漠ツアーの基点になる以外は、何も無いっちゃ何も無い村なんだけど、
手前の町までの客引きの騒々しさがウソのような、素朴さと静けさで包まれていて、
それだけですっごく居心地がいい場所だった。
時間が許せば、もう1日でも2日でも滞在してみたかったなぁ~。

P.S. 1週間近くネットに接続していなかったため、更新が遅れ気味です。
   この記事の話は、もう7日も前のことだったりして…。ゴメンナサイ。

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旅日記-モロッコ | 18:30:07 | トラックバック(0) | コメント(0)
リラックスモードで散歩道
ティネリールの町には、お昼前に到着。
前日のタジンパワーで気分が乗っていたため、そのまま午後に近くの渓谷へ出掛けてきた。

トドラ渓谷は、ティネリールの町から約15km。
行きは乗合タクシーを利用して、帰りはのんびり歩いて…と言うには距離があったが、
写真を撮りつつ、ぶらぶら4時間歩いて戻って来た。

車や自転車で通り過ぎる人はいても、徒歩で立ち寄って行く外国人は少ないのだろう。
すれ違いざま、中には向こうから声を掛けて来る好奇心の強い人もいるけれど、
珍しいものを見つけてちょっと戸惑っているような視線が注がれることが多かった。
その1人1人に、笑顔で「ボンジュール。」と声を掛ける。
(※モロッコでは、全般にフランス語が通じる。
  過去にフランス統治下にあった経緯があるが、今も学校で習うそうだ。)
もちろん人の少ない田舎だからできることでもあるが、
視線を受け入れる余裕を持てているのも、昨日のタジンのおかげ。
そうすると、相手も警戒を解いてくれる。
残念ながら、さらにフランス語で話し掛けられてもわからないのだけど、
笑顔を交わせるだけですごく楽しい気分になれる。

渓谷周辺。サイクリングに来る人も多い。
たなびく布たち@トドラ
渓谷サイクリング@トドラ

オアシスの中に散歩道があった。
オアシスの緑@ティネリール

そこで暮らす人々のワンシーン。
オアシスでの暮らし@ティネリール

それだけで、絵になってしまう木。
大ヤシ@ティネリール

その他、乾燥の大地に咲く花たち。
乾いた大地に咲く花①@ティネリール
乾いた大地に咲く花②@ティネリール

モヤッとしそう…。
モヤッとサボテン@ティネリール

ティネリールのパノラマと、その中を行くおばさま。
大パノラマ@ティネリール
パノラマの道をゆく@ティネリール

乗り過ぎヒャッホー♪
乗り過ぎヤッホー♪

本当は、写真を撮りたくなるような可愛い子どもたちがたくさんいたのだけど、
「撮ってもいいかな?」とカメラを指差すと、嫌がられてしまった。
後で町のおじさんに聞いたのだけど、
この辺りの子どもは旅行者に写真を撮られるのを好まないそうで。理由はよくわからなかったが…。
これがマラケシュのような大きな町になると、
撮らせてくれる代わりに、今度はチップを要求されたりする。
残念だけど、それも今のモロッコだと受け入れなきゃいけないんだよね。

どうしても、こういう隠し撮りになってしまう…。
青扉と少女@ティネリール

ここまで移動過多だったので、渓谷散歩の翌日はもう1日ティネリールでステイ。
ちょうど青空市場が開かれる日だったので、ぶらっと午前中に出掛けてきた。

灼熱の青空市場。
灼熱青空スーク@ティネリール

車のドアまでスイカ色。
車の扉もスイカ色@ティネリール

こんなところで、20年前の品を発見。動くのかどうかは不明。
20周年!
調べたらちょうど20周年なんですよ、これ。今やすごい進化を遂げたものだ…。

ついでに街中のカフェでの一コマ。昼間っからサッカーに熱中する人々。
サッカーに夢中な方々@ティネリール

これを撮ったのは日曜だったけど、
平日でも、昼に店に行っても誰もいなかったり、
かと思えば隣のカフェで他のおっちゃん連中と駄弁ってたり、
木陰でぼんやりしていたり、
この人たちはいつ働いてるんだろう…?と思うことが多々ある。
ワルザザートで泊まった宿のスタッフに聞いてみたところ、
実際に仕事が満足に無い人たちも多いらしい。
「それじゃ生活するお金はどうするの?」と聞いたら、
「みんなで助け合っているから大丈夫なんだ。」とのこと。
まだまだ物々交換が成り立つようなコミュニティができているのかな。
日本のビジネス社会とはあまりにかけ離れた世界だけど、
昼間のクソ暑さを感じていると、ここでは彼らの生活スタイルもまた自然に思えたりする。

午後。ブログをアップしにネットカフェに行くつもりだったが、
「見るだけでもいいから!」と、手作り絨毯を売るベルベル人のお宅に招かれた。
(おかげで、この記事をアップするのが遅れたというワケ)
最初から「買わない!」って言っていたのだが…、やっぱり何度も購入を勧められた。
まぁそれが仕事なんだから当然っちゃ当然なんだけど、その一生懸命さには感心。
結局お茶だけ頂いてしまったので、ちょっと申し訳ない気もする。

羊毛を巻き巻きするおばちゃん。
糸まきまき@ティネリール

お茶を淹れるブラジルオヤジ。
ティータイム@ティネリール

モロッコ流ミントティー。
アターイ@ティネリール
角砂糖をたっぷり溶かし込んだ甘さと爽やかなミントの香りが、この気候にベストマッチしている。
シリア、ヨルダン、エジプトのお茶は紅茶だったけど、モロッコでは中国の緑茶が使われている。
どういう経緯で中国茶を飲むようになったのかはわからないけど、
きっと中国の人たちは、こんな遠い国でこんな飲み方をされているなんて、知らないだろうなぁ。

一番気に入ったデザインの絨毯。
ベルベル絨毯@ティネリール
素材は、羊毛か、シルクか、ラクダの毛を使用。上写真は、ラクダの毛で作られたもの。
ラクダの毛が一番高価なんだけど、仕上がりは一番キレイに見えた。
こういったものに普段全く興味が無い僕だけど、
短期旅行でお金と持ち帰る余裕があれば、少しは購入検討したかもね。

オマケ。昼間っから熟睡中の犬。
だらけきった犬@ティネリール
砂漠地方の犬って、やたら夜に吠えてる気がする。
きっと、昼に寝過ぎだからだろう…。日中の暑さには犬だって参るのはわかるけどさ。

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旅日記-モロッコ | 12:05:09 | トラックバック(0) | コメント(3)
タジンパワー全開
なんとなく、2ヶ月前の日記を読み返した。

トルコのサフランボルやシリアのアレッポを訪れていた頃、
ただぶらりと歩いては、そこで出会った人たちと一緒に話したり遊んだり、
それが最高に楽しかったのを思い出すと共に、
最近、そういう楽しみ方ができていないように感じた。

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タフロウトを出た夜行バスがマラケシュに到着したのは、やや遅れて朝の4時半。
バスターミナルは24時間空いているのか、
中には椅子や床に寝転んで朝発のバスを待つ人が大勢いた。
じきに朝日が昇る時間だし、これだけ人がいれば問題ない。
一安心して、僕も軽くウトウトすることにした。

30分程浅い眠りに入っていたところで、民営バスの客引きの声で目が覚めた。
夜行バスの中でほとんど眠れなかったため、まだまだ眠気が残っている。
この状態でマラケシュの街へ出ても…、また疲れ果てるだけだなと思った。
悔しいけど、マラケシュへのリベンジは断念。
6時半発の、ワルザザート行きのバスに飛び乗った。

マラケシュ~ワルザザート間には、オート・アトラスという山脈を越えるパノラマがあって、
モロッコ観光の一つのポイントになっている。
高原や山の景色が好きな人間としては楽しみにしていた場所だったのだが…、
それより何より、眠気がどうしようもなかった。
幸か不幸かこのバスが大当たりで、
モロッコに入って以来一番の乗り心地(冷房付、リクライニング可、クッションふかふか)で、
走行時間のほとんどを爆睡してしまい、オート・アトラス越えは終了したのだった…。

何のために再びマラケシュを経由したんだか、全くわからん…。
せっかくエッサウィラで気持ちが乗ってきたところだったのに、
どうも上手くいかないことが多いなぁ~。
一気に移動してきた疲れもあってか、そんなことを考えつつ少々イライラしていた。

ワルザザートのバスターミナル近くでほとんど選ばずに決めた宿で仮眠を取ってから、
ようやくこの日最初の食事へ繰り出すことにした。
あまり歩き回る元気も無く、近場で見つけた客のいない店に入り込んだ。
クスクスが食べたかったが、無かったのでタジンを注文。いずれにせよ、マラケシュ以来だ。

10分程待つと、注文したタジンが運ばれてきた。
三角錐型のフタを開けると、熱々に煮込まれた野菜たちが姿を見せた。
とりあえずスープを一口…、ずずず。

「!!!」

ビックリした。
前回マラケシュで食べたものと、全く違うものだったから。
前回のものは、塩もスパイスも薄めで、野菜と肉の素材の味を頼ったものだった。
しかし今度のは、実に濃厚。
恐らく複数組み合わされたスパイスが溶け込んだスープで、柔らか~く煮込まれた野菜とラム肉。
例えるなら、一晩弱火でコトコト煮込んだシチューのような感じ?
合わせて出されたパンとの相性が抜群。
写真を撮るのも忘れて、夢中で平らげてしまった。

日本の「ラーメン」が店によって実に多様に姿を変えるように、
使う材料も味付けも、多種多様な煮込み料理の総称が「タジン」なのだろう。
翌日からの食べ比べの意欲が沸いてきた。

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空腹も満たされて宿に戻った後に、ちょっと考えた。
今日あのタジンに出会えたのは、色んな偶然が重なった結果だった。
「上手くいかない」と感じていた時間があったけど、
例えば夜行バスでぐっすり眠れて体力満タンでマラケシュに到着していたら、
今日この町に来ていることは無かっただろう。
昼のバスで眠りこけるほど疲れが溜まっていなかったなら、
客のいないこの店より他に人気のありそうな店を探していただろう。

たしかに最近、たまたま思い通りにならないことが重なっていたかもしれない。
でもそれは、トルコやシリアにいた頃にも無かったわけじゃない。
「思い通りにならない = 上手くいかない」と感じるように、変わってしまっているのは僕の方だ。
最近の僕は、周りに色んなことを期待し過ぎているのだろう。
食べたい物だったり、きれいな景色だったり、そして人の対応だったり、
自分の知識の範囲内で、欲しいものを求めてしまっていることが多々ある。
そして、それと違うことが生じた時に、「上手くいかない」ように感じてしまったり、
受け入れきれずにイライラしている自分がいる。
「違い」を感じながら、自分の常識を壊そうと始めた旅なのに?

わかってたはずなんだけどな。
満足させてくれる何かを期待して待っていても、100%期待通りになるなんて稀なこと。
期待外れを不満に思ったところで、
その状況を受け入れ、楽しい方向に変えられるのは自分しかいない。
一歩進んで、満足させてくれる何かを探すことも大事だけど、
自分の理想に拘り過ぎても、やはり完璧なものが見つかることは稀だろうし、
それ以外のものを見落としてしまうかもしれない。
今日のタジンのように、思い通りにいかなかった先に、
理想と違う形で見つかるものだってたくさんある。
ならば、その時その時に起こることを、可能な限り受け入れよう。
そして自分から乗っかって楽しんじゃおう。そこに重点を置けばいい。
「なに!そう来おったか…、面白い!お主なかなかやるな。ふぉっふぉっ。」って感じで。(?)

「楽しさの素」は、実はさりげない場所にたくさん転がっているもので、
受身じゃなくて、能動的に楽しむ気持ちがあれば、それを拾える確率がグンと上がる。
それは、旅も、遊びも、勉強も、仕事も、きっと全て同じ。
そう信じて動くのが、俺の基本スタイルだったはず。

今だったら、タジンに貰った元気で、取り戻せそうな気がしていた。
時に食べ物が与えてくれるパワーって、本当にすごい。有り難い。

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「風が吹かない そんな場所でも
 僕たちが走るなら 感じることができる
 吹くだろう風 なんて待つなよ
 無いものを嘆くより 作ればいい風だって…」
                             19(ジューク)「すべてへ」より

今の気分にピタッと合う歌詞。
ブログのタイトルとは逆のようにも感じるけど…。

そう、無風でもフロントで走ればテイクオフできる。
風待ちし過ぎてサーマルタイム逃してぶっ飛んだフライトが何本あったことか…。
(→ここは、わかる人にしかわからない例えでゴメンナサイ)

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旅日記-モロッコ | 11:00:01 | トラックバック(0) | コメント(2)
「インシャアッラー」
アラビア語の言葉で、日本語に訳すなら、「神の思し召すままに」となるようだ。
モロッコだけで使われているわけではないが、特にここに来て耳にすることが多くなった。

これが使われるタイミングが面白い。

① 僕「(別れ際に)明日また来るよ~。」
 店員「インシャアッラー。」

 この場合は、「そうなれば嬉しい」「そうなりますように」という願いの感情を込めて、
 「またね」の意味で使われているようだ。

② 僕「時間過ぎてるけど、まだ列車が来ないよ?」
 駅員「インシャアッラー。」

 日本の感覚では「すみません」と言うべきところで、
 「困りましたね~、時間は神のみぞ知るってやつですからね~。」と流されているようなイメージ。 

③ 僕「時間過ぎてるけど、まだ列車来ないね~。」
 友人「インシャアッラー。」

 「まぁ早く来ることを願いつつ、のんびり待とうや。」って感じかな。

他にも使われ方がありそうな感じだけど、いずれもイスラムらしいなぁ…と思う。
日本の感覚だと「何でも神頼みかい…」と思えなくもないけれど、
このゆる~い感じが、なんだか憎めない。
モロッコを出るまでに、さらっとこの言葉を使えるようになってみたい。と、密かに目標設定中。

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エッサウィラに続いて休息地に選んだのは、山あいの小さなオアシスの町・タフロウト。

タフロウトの町自体は本当に小さい。
のんびりアットホームな感じは素晴らしく居心地が良いのだが、
強いて言えば、小さ過ぎて買い物や食事の選択余地がほとんど無いのが難点。

観光ポイントとしては、数kmの範囲内に点在している集落がある。
それらをぶらぶら歩いて回るのだが、
昼の日射がキツ過ぎる上、道中には水場も店も全く無いので、
体力勝負で歩き続けると危険を感じる…。

集落に入っても、人に出会うことが実に少ない。
静か過ぎて不気味なぐらい、人の気配を感じない場所もあった。

こういう時は、木や岩の陰で寝転がるのが一番の贅沢タイム。
乾いた風が吹き抜け、体からスーッと熱が引いていく。
風の音と鳥の声。他には何も聞こえない。

タフロウトの町や周辺の集落の風景。荒野の中に、ピンクに近い明るい赤茶色の建物が並ぶ。
赤茶の建物たち①@タフロウト
赤茶の建物たち②@タフロウト
赤茶の建物たち③@タフロウト
赤茶の建物たち④@タフロウト
赤茶の建物たち⑤@タフロウト

ハイウェイ。
花咲く砂漠ハイウェイ@タフロウト

乾ききった川の跡。
乾いた川@タフロウト

巻き雲。
荒野にかかる雲@タフロウト

今日はタフロウトに来て3日目。
今朝のバスに乗って再びマラケシュに戻ろうと思っていたのだが、
昨日の夕方に散歩していたところ、予約していたバス会社の人に呼び止められ、
「明日朝のバスが出ないことになった。夜発に変更させてくれ。」と来た。
う…、あまりのんびりしてる余裕は無いんだが…、
まだ見てない場所が残ってるからそれはいいけど、ところで明日何食べよう…?
暑さで鈍りきっている思考回路でそんなことを考えつつ、
「で、何時発になるの?」と聞いたら、18時発だった。
マラケシュまでは、約8~9時間。
ってことは、到着は真夜中じゃないっすか…。そんな時間に着いてどうしろっての?
しかし、もう1日伸ばしているほど時間に余裕は無い。
1ヶ月後にパリが待ってるのだよ、パリが。

というわけで、これより出発。
まぁなんとかなるさ~、「インシャアッラー」。(←これが言いたかった。)

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6月10日、パリ(フランス)発ブタペスト(ハンガリー)行きの航空券を予約してしまった。
そう、「してしまった」んだ。
あと1ヶ月しかない!モロッコの旅が予定より全然進んでいないのに!

そもそも、ハンガリーを含め、中欧に行く予定なんて全く無かった。
きっかけは、シリアのとある宿で出会った、世界中のグルメを求めて旅している方の話。
「お酒が好きなら、①ハンガリーのワインと、②チェコのビールは飲みに行きなさい!」
と、命令形で言われてしまったので、そこまで言うなら行くしかないかと。
トルコからここまで約2ヶ月、ずーっと飲酒の自由が無いイスラム圏の国が続いている中で、
僕にとっては、酒の誘惑は強烈に効果的なのだ。

飛行機は、「WIZZ AIR」という格安航空会社を使用。
料金は、片道で20ユーロ。陸路移動するより確実に安いでしょう。無事飛べば…だけど。

ハンガリーやらチェコやら中欧を特急で回った後は、7月中旬~遅くとも下旬にアジアへ飛びたい。
が、狙いを定めていた国へはヨーロッパからの直行便が無さそう。
もちろん経由便でも良いのだけど、ネットで調べる限りは、ちょっと現実的じゃないお値段。
さて、どうしたものか…。この先しばらく、悩みの種になりそう。

案の定、計画が甘かったヨーロッパで悩まされそうだ。
とりあえず、まずは来月の今頃にパリへ辿り着かねば!
自由なはずの1人旅なのに、なんでこんなに慌しいの…?
貧乏旅行者だけど、お金より時間が欲しい。やっぱり時間は何より貴重である…。

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旅日記-モロッコ | 15:45:28 | トラックバック(0) | コメント(2)
優しい色のチカラ
喧騒からの避難地に選んだのは、エッサウィラという港町。
マラケシュの赤茶色から一転、青と白が基調の明るいメディナ。
色のチカラって不思議。
この色を見ているだけで、気持ちがスーッと爽やかになっていくのがわかる。

ここはリゾート地でもあるが、それは海辺の一部の区域だけで、
ちょっと離れれば庶民的でのんびりした雰囲気が漂っている。
潮の香りとカモメの声が、より一層気分を和やかにしてくれる。

カモメの見つめるメディナ。
カモメの見つめるメディナ@エッサウィラ

夕暮れ間近。
夕景メディナ@エッサウィラ

路地裏。
路地裏@エッサウィラ

港町だけあって、海の幸を楽しむことができる。
しかも、自分で市場の新鮮な魚を買って持って行くと、その場で調理してくれる店がある!

まず、昼に食べてみたのは焼き魚。
焼き魚@エッサウィラ
名前はわからないけど、白身の魚。
網の上で炭火でじっくり焼き上げられ、ほおばると、香ばしさと磯の香りがいっぱいに広がった。
「焼き」は、日本を出て以来初めて。し、幸せ…☆
これにビールがあれば…なんて贅沢は言えませんな。

夜には、大好きなタコとホタルイカ(と思われる、小さいイカ)を見つけ、買ってみた。
昼の調理屋に持ち込むと、どうやらワタを取ったり切ったりしなきゃいけないようで、
それ専門の別の店に連れて行かれることとなった。
せっかくなので、お手並み拝見。まずはタコから。
ワタと皮をきれいに取り除いて、頭と足に切り分ける。ふむふむ、手際が良いですなぁ…。
と感心していたら、次にはタコ足に付いている吸盤を包丁でガシガシ削り取り始めた!
これはビックリ!モロッコの人たちは、吸盤は食べないらしい。
タコ足は、このプチプチ感が美味いのに!なんで~!?
お次はホタルイカ。
嫌な予感はしたのだが、いきなりタコと同様にワタを取り出し始めた!
慌てて静止!そこ取っちゃったら、ホタルイカがホタルイカじゃ無くなる~!!
意外なところで、プチカルチャーショックを受けたのだった。
日本の魚に関する食文化がそれだけ深いってことなんだろうなと、改めて感じさせられる。

最終的に、このタコとホタルイカはフライになった。
特にホタルイカは生で食いたいところだけど…、さすがに無理か。漏れなくアタりそうな気もするし。
衣付け過ぎ&油が汚いせいで、「・・・」となる真っ黒な見た目だったため、写真は撮る気になれず。
それでも鮮度の勝利か、特にタコは噛むとじゅわっと歯ごたえがあって、十分に満足だった。

2日間滞在して、かなり元気を貰った。
これでまた、旅を楽しんで行ける。
ありがとう、エッサウィラ。

以下、その他の写真いろいろ。

そういえば、これが生まれて初めて見た大西洋。
穏やか大西洋@エッサウィラ

アートなお店たち。
アートなお店①@エッサウィラ
アートなお店②@エッサウィラ

カラフルスカーフ。
カラフルスカーフ

「ねこ鍋」…って、ちょっと昔に流行ってなかったっけ?これは「ねこ籠」ね。
ねこ籠

閉じられた扉。
閉じられた扉①@エッサウィラ
閉じられた扉②@エッサウィラ

開かれた扉。
開かれた扉①@エッサウィラ
開かれた扉②@エッサウィラ

がぉ~。
ライオンノッカー

夕陽に向かって撃て!
夕陽に向かって撃て!

夕暮れシルエット。
夕暮れシルエット①@エッサウィラ
夕暮れシルエット②@エッサウィラ
夕暮れシルエット③@エッサウィラ

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旅日記-モロッコ | 22:45:35 | トラックバック(0) | コメント(0)
続・ごちゃごちゃな街で
ものすごい熱気。
「世界で最も…」のカイロに、負けず劣らずの「ごちゃごちゃ」があった。

約1,000年の歴史を持つマラケシュのメディナ(旧市街)。
赤茶けた日干しレンガ造りの家々で囲まれた路地の中は、完全に迷路状態。
シリアのアレッポに引けを取らない規模のスーク(市場)は、1日中ものすごい数の人々が行き交う。
中央広場(ジャマ・エル・フナ)の夜は、お祭り状態。
大道芸や民俗音楽演奏などの出し物を囲む人だかりと、後ろにはズラリと並んだ屋台群。

しかし、このエネルギッシュな空間にハイテンションで突っ込んで行けるほど、
僕には十分な気力が残っていなかった。
既にカイロで疲れきっていた状態で、続けて行くべき場所じゃなかった…。

人で溢れるマラケシュの街は、なかなか息つく間も与えてくれない(ように感じた)。
ぼーっとアテも無く迷い歩きたいと思っていても、横から横から声が飛んでくる。
それを楽しめるだけの余裕が無いと、正直言ってしんどい街だ。

その強烈なパワーに、僕は文字通り「圧倒」されたわけである。
疲労とイライラがMAXに達しそうだったため、
穏やかな地を求めて、早々にこの街から避難することにした。
しかし、カイロに引き続きこの街もまた楽しめないのは悔しい!
うまく休息が取れたら、もう一度帰って来たいと思う。

マラケシュでは、ちょっと写真が撮りづらい。
カメラを向けると、嫌がられたり、必要以上に意識されてしまったり、
時にはチップを要求されることもあったり。
こうなると、撮るのもつまらなくなってくる。なので、ちょっと写真は少なめ…。

騒々しい中で見つけた、路地裏のちょっと静かな場所。
昼の路地裏@マラケシュ
夜の路地裏@マラケシュ

活気溢れる屋台村。
屋台①@マラケシュ
屋台②@マラケシュ

一丁あがり!
クスクス一丁あがり!

一丁あがった、チキン入りクスクス。
チキンクスクス@マラケシュ
エジプトのスィーワ以来の再会。これから、モロッコでは何度もお世話になりそう。

こちらは、ビーフ入りタジン。
ビーフタジン@マラケシュ
タジンは、スパイスで味付けされた煮込み料理。
クスクスとの違いは、蒸した粗挽き小麦が入っているかいないか?だと思われる。
器が独特で、よく街頭でグツグツ煮込んでいるのを見かける。その様子は、後日補完予定。

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旅日記-モロッコ | 21:55:16 | トラックバック(0) | コメント(0)
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