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joplus

Author:joplus
「もっと世界を見てみたい!」
という単純な理由で、
世界経済危機をものともせず…
否、ただ歯止めがかけられず、
会社を辞めて旅に出た浅はかな男。

でも、いつ終わるかわからない人生、
やりたいことをやりたい時に、
楽しめるだけ楽しまないと♪
…と、勝手に開き直ってる若造です。

たくさんの「違い」に出会うため、
風と気の向くままに歩き回ります。
キーワードは、「自然体」。
できるだけナチュラルな心で、
「違い」で溢れた世界に浸って来たいと思います。

(画像 : photo by たびかめ氏)

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流され過ぎて…
バスターミナルに到着した時から、頭痛がしていた。
既にこの時点で、僕はフェズの町に嫌われていたのかもしれない。

約1,200年の歴史を持つフェズの旧市街 ― フェズ・エル・バリ。
その迷路っぷりは、マラケシュのそれをも上回る。
頭痛に負けじと、迷路の中に飛び込んではみたのだが…、
やっぱりマラケシュもそうだったように、ツーリスティック過ぎるんだよなぁ。

例えば、こんなことがあった。
適当にぶらぶらしていたら、川沿いになめし革の職人が集まる地区に出た。
川を跨いだ反対側から雰囲気を楽しんでいたら、
「こっちに来て見て行けよ!」と1人の職人から声が掛かる。
彼は、中の仕事場を隅々まで丁寧に案内してくれた。
でも、こういう職人の仕事場を、普通見知らぬ観光客に喜んで見せたりするだろうか?
と考えると、チップの要求が来るかもなぁ…と思っていたら、やっぱり来た。
途中で「フリーか?」と聞いたら、ウンウン頷いていたのだが…まぁそれは伝わってなかったのだろう。

結局、そういう場所までツーリスト向けになってしまっているわけだ。
こうなると、なんだか「見せられている」感じがしてつまらない。
クソ暑い中、馴れ馴れしい日本語で声を掛けてくる連中も次から次に現れる。
ダメだ、頭痛が増す一方だ…。

夕方になって、ネットカフェを探していた時に、ある青年に場所を案内してもらった。
別れ際、彼は新市街で今夜開かれるというパーティに僕を誘ってくれた。
夜7時頃~深夜遅くまでやっていると言うが、この日はブログのアップも調べものもしたかったから、
長くネットするつもりでいたので、この時は一旦断った。
ネットを終えると、もう22時近かった。
道も暗くなってきたので、急ぎ足で宿に向かうと、さっきの彼が宿の前にいるではないか。
偶然、これから友達の車でパーティに向かうところなのだと言って、再び僕を誘ってくれた。
ただ、宿のおじさんに確認すると、0時には入口を閉めると言われた。
もうあまり時間が無いし、やはり断ろうと思って青年に伝えたところ、
「1時間でも十分楽しめるさ。帰りは送ってあげるから。」と言う。
このままフェズを楽しめずに終わるより、行ってみるか!(ビールも飲めそうだし)
酔っ払って忘れたらいかんと思い、バッグを部屋に置いてから、手ぶらで彼らの車に乗り込んだ。

先に1人の友人を家まで送り届けていたら、既に23時を回っていた。
0時に帰るためには、もう時間が無い。
酒が入ったらどうでも良くなってしまいそうな気がして、やっぱり帰らせてもらおうかと思った。
が、「彼(宿のおじさん)は友達だから、僕が頼めば何時でも開けてくれるさ。」と言う。

どんな話の流れだったかは忘れたが、気になるパーティの値段の話になった。
「行く場所によって色々あるから…」というようなことを言う。
この辺で、僕らが向かっているのは「パーティ」じゃなく、
どこかの「バー」か「クラブ」なんだなと思った。そりゃ店によって金額は違うわな。
そうなると、できるだけ安い場所に行きたかったのだが、
彼の言う一番チープな店は、1人あたり「500ディラハム(=約6,000円)」とのことだった。
僕がモロッコを旅していて、1日で使っていた金額の平均が、約2,000円。
正直言ってかなり痛い額だったし、この時点で半分ぐらいヤケになっていた僕は、
「500ディラハム以上は必要無いことを確認」して、この金額で突入することにした。
お金を渡すと、僕の財布の中身はほぼ空っぽだった。

店の中は、やはり「バー」に近い雰囲気だった。
写真は禁止と言われ撮れなかったが、
旧市街に暮らす人よりは小奇麗な服を着た若者やおじさんたちが、
ビールやジュースを飲み、水タバコを吸い、モロッコ音楽に乗って踊り歌い、友人同士で語らい、
思い思いの時間を過ごしているようだった。
ここで出された「フラッグ」と言う名前の瓶ビールは初めて飲んだが、
しっかり冷えてはいたものの、コクが無く物足りない味だった。
ツマミもサラダや魚のフライなど、街中で100円も出せば買えそうなものばかりで、実にチープ。
まだ10歳にも満たなそうな子どもが働く旧市街のすぐ隣に、こんな遊び方をしている人たちがいる。
軽く酔いが回ってきた目で、ぼんやりとその様子を眺めていた。

「もっと楽しい場所に行こう」と言う青年の誘いを断り、帰りの車に乗り込んだ。
その途中、「2回目のビール代、200ディラハムをくれ。」と言われた。
たしかに、瓶ビールは氷が入った大きな入れ物でまとめて出され、
1回「おかわり」をしたのは見ていた。
それにしても、瓶ビールは町で買えば1本10ディラハム前後。
酒場で飲んだ分高くなるのは仕方ないとして、仮に1本20ディラハムとしよう。
それだって、1回で出されたのはせいぜい10本=200ディラハムだ。
全額俺が払えってことか?
第一、初めに「500ディラハム」以上は必要無いことを確認したじゃないか!

実は、途中から怪しいとは感じていた。
彼らは、全ての飲み代を僕に払わせて遊ぶつもりなんじゃないかと…。
どう考えても、あの内容で500ディラハムは高過ぎる気がするし、
彼の発言一つ一つも、捉え方によってはいくらでも悪い方向に捉えられた。
けど、せっかくこの町に来たのだから何か一つでも面白いことがしたい気持ちがあった。
また、彼らを勝手に信用して、ここまでノコノコ付いて来た自分にも責任はあるのだから、
半信半疑ながら騙されていることも覚悟で、500ディラハムまでは払うことに決めたんだ。
でも、それなのに、その上まだ約束を破ってまで金を取ろうとする態度に、
腹の底から怒りが沸いてきた。

汚い言葉だらけの口論になったが、運良く車はもう宿のすぐ前に来ている。
僕は車を飛び出し(当然200ディラハムは払わず…と言うか、持ってないし)、宿の方へ走った。
しかし、この時の時刻は既に2時を回っていた。当然宿の扉は閉まっている。
今更彼らを頼る気は更々無かったが、どうせ「宿の主人は友達」発言もウソだったろう。

途方に暮れているわけにも行かない。
さすがにこの時間に、人気の無いこの場所に1人でいるのは危険に感じた。
明るい場所を求めて、暗い旧市街の中を行く。
昼間は人でごった返していた商店街なのに、嘘のような静けさだった。

路地に数人でたむろしていた男たちが、小走りで歩く僕を呼び止めた。
その声に危険な響きが無かった(頼りない感覚ではあるが…)ため、
僕は呼ばれるままに歩み寄ることにした。
彼らは、夜の警備をしているのだと言う。
が、なぜかバラ売りするタバコやハシシ(大麻)を持っていて、怪しい感じもあったが…、
薄着の僕に上着を貸してくれたり、冷たい石の上にクッションを置いてくれたり、
とてもとても温かかった。
ただ、自分がすごく惨めな気分でもあった…。

1時間ほど経った頃だったか、さっきの「奴ら」の車が通りがかった。
僕を探していたのかどうかはわからないが、
この期に及んで「宿に連れて行ってやるから、乗れよ。」と言ってきた。
もうコイツ等に関わるのはゴメンだ。
徹底的に無視する僕に対して、何か叫ぶように言っている。
すると、自称「警備員」の彼らが、僕の代わりに奴らを追い払ってくれた。

怒り、感謝、悔しさ、温かさ…僕の頭の中はもうぐちゃぐちゃだ。
涙が出そうなのを堪えながら、新しい「仲間たち」と共に、長い夜が明けるのを待っていた。

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テーマ:海外旅行記 - ジャンル:旅行

旅日記-モロッコ | 20:15:00 | トラックバック(0) | コメント(2)

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