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joplus

Author:joplus
「もっと世界を見てみたい!」
という単純な理由で、
世界経済危機をものともせず…
否、ただ歯止めがかけられず、
会社を辞めて旅に出た浅はかな男。

でも、いつ終わるかわからない人生、
やりたいことをやりたい時に、
楽しめるだけ楽しまないと♪
…と、勝手に開き直ってる若造です。

たくさんの「違い」に出会うため、
風と気の向くままに歩き回ります。
キーワードは、「自然体」。
できるだけナチュラルな心で、
「違い」で溢れた世界に浸って来たいと思います。

(画像 : photo by たびかめ氏)

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忘れかけていた労働と喜び
不思議な巡り合わせが立て続けにやって来た波照間島。
実は同じ日に、第3弾のサプライズが用意されていた。

夕方、「アイスを食べに行こう!」というNさんの提案で、売店に出掛けた。
店の外のベンチで、どこか懐かしいソーダ味のアイスを舐めていると、
通りがかりの島人のおっちゃんに話し掛けられた。
そして5分後には、翌日のサトウキビ刈り作業をお手伝いさせて頂くことに決定していた。

この時点で、石垣を発つ日(21日)まで残り10日あったが、
ぶらぶら島を巡るのはだいぶ満足していたし、
かと言ってずっと石垣に居ても退屈しそうな気もしたし、
どこでどう過ごそうかな~?と考えていたところだった。
そこへ「やってみないか?」という突然のお誘いが舞い込んで来た。
島の仕事を体験させて頂けるなんて、願ってもないお話だった。
NさんはNさんで、元々サトウキビ刈りに興味があったそうで、
2人揃って即OKしてしまった。

後で聞いた話だが、今年はキビが豊作である上、
納め先である島の製糖工場の稼動開始が例年より遅れたことで、
キビ刈り作業も開始から遅くなってしまったらしい。
例年ならば、12月にはスタートして4月中旬には終わっているはずが、
全体に約1ヶ月近く後倒しになっているようだ。
4月も後半に入った島は、晴れるとかなりの暑さになるため、
作業効率が悪化して、さらに終わりが遠のいてしまう…という悪循環になりがち。
そんな状況なので、「猫の手も借りたい」ということで僕らに声が掛かったのだろう。

キビ刈りの仕事は、朝8時から夕方17時まで。
休憩を除いて1日7時間半、空の下での肉体労働である。

作業内容は、トラクターや手斧で切り倒したサトウキビを、
不要な葉っぱを鎌で削ぎ落とし、トラックに積み込めるようにまとめるというもの。
作業そのものは、ベテランの方とはスピードで大きな差が出るものの、
誰にでもできると言ってもいいと思う。
但し、肉体的にはかなりハードである。
1回の休憩まで約2時間、1本でも重たいキビを引っ張り上げて左手のみで支えながら、
右腕は延々と鎌を振るい続ける…。
旅でたくさん歩いているおかげで足腰はだいぶ強くなっていたものの、
一方でロクに使われていない僕の上半身の筋肉は、1日で見事にパンパンになった。

しかし、それ以上に最大の敵は、日射だった。
僕らが初めて作業に参加した日は、島の人でさえ堪えたと言う、今年一番の暑さだった。
日陰など無い空の下で、島の強烈な日差しと30度近い気温の中で2時間動き続けていると、
さすがに眩暈がしそうになった。
僕は気合いのみでなんとか作業終了まで立ち続けたが…、
特に後半の作業スピードはガタ落ちで、足手まといになってしまったのは明らかだった。

僕らを雇ってくれたおっちゃん(以下、おじぃと呼ぶ)は当初、
2日間の予定で声を掛けてくれていたのだが、
1日目の作業終了後に、「明日はもうやめておきなさい」との言葉が…。
それは僕らの体調を心配してのことだったのだが、
僕には、「クビ」を言い渡されたように感じてしまった。

悔しい。ここで引き下がりたくはない。そう思った。

「キビ刈りはキツい」という話は聞いたことがあったし、
別にナメていたつもりはないが、それでも今日の僕はバテた。
だけど、ヘロヘロになりながらも1日やり通したことで、
ようやく掴めてきた作業の流れがある。
幸い、翌日は曇りで気温もぐっと下がる予報だった。
明日なら、今日よりもずっと戦力になれる自信はあった。

体調も崩しかけていたNさんは休むことになったが、
僕はおじぃに頼み込み、もう1日作業に参加することを了承して頂いた。

翌日は予報通りで涼しい北風も吹き、「作業日和」と呼べる天気だった。
コツが掴めてきたのもあって、昨日とは段違いのスピードでキビを積めているのがわかる。
両腕はひどい筋肉痛だったが、この日は楽しさが苦しさに勝った。

休憩時間に、一緒に作業をしていたおっちゃんがくれたおにぎりの味、
仕事後に、おじぃと飲んだビールの味。
その美味さ、その喜びを、僕はいつの間にか忘れかけていたかもしれない。

波照間島の場合、サトウキビ刈りの作業は数世帯の「組」を作って行っている。
キビの畑は各世帯が個人で所有・管理しているのだが、
作業については、上に書いた通りの方法故に人手をかなり要するため、
数世帯の人員を総動員し、1~2日毎に、各家の畑を順々に刈り取っていく。
お互いがお互いの畑を手伝うことになるこの仕組みは、
いい意味で刺激にもなるし、とても温かいものだった。

2日間、僕に声を掛けてくれたおじぃの畑の刈り取りをしたので、
次は1日休みを挟んで、別の家の畑を作業する予定になっていた。
そちらのご主人からも「ウチの畑も手伝って行ってよ!」と声を掛けて頂いて、
結局僕はこの後、さらに3日間作業に参加させて頂いた。
(その3日も、涼しく快適な天気で気持ち良く作業を終えることができた。)

それにしても、島の人達は本当に元気だ。
雇い主のおじぃは、今年で70歳になると言うのに、
ぶっとい腕で、僕なんかよりずっとスピーディに作業をこなしていた。
他にも、70代のおばぁちゃんが一緒に作業してたな…。

おじぃは、以前は島の製糖工場に勤めていたそうで、
それだけでも暮らして行ける程の年金もちゃんと貰えているようだった。
それでも、なぜまだ働くのか?と訊ねたことがある。
答えは簡単だった。
「働く喜びを感じていたいから」だって。

おじぃの好意で、2日目の作業を終えた次の日から、
おじぃの家に泊めて頂くことになった。
来月から息子さん家族が帰って来て住むらしいのだが、
今は広々とした家に1人暮らしということで、部屋はたくさん空いていた。
寝る場所を頂けるだけでも有難いのに、
結局、滞在中は食事からお酒まで全部面倒を見て頂いて…、申し訳ないぐらいだった。

与那国で泊めて頂いた家でもそうだったが、島の暮らしは実に開けっぴろげである。
家に鍵など掛けないとは噂で聞いていたが、全くその通り。
ある時は、売店まで買い物を頼まれたのはいいが、
「これを持ってけ!」と財布ごと投げ渡される始末。
ヨソモノで居候の僕を、そんなに信用しちゃっていいの!?
僕は逆に気が引けてしまい、結局買い物に出る時にはその財布を置いて行ったのだった…。
それ以外は、食事などは遠慮すると逆に怒られる(苦笑)ので、
いつも有難くお腹いっぱい食べさせてもらったけどね。

5日目の作業を終えた翌日、午後一番の船で、僕は波照間を発つことに決めた。
この日も、僕がお手伝いさせて頂いた組はお休みではなく、みんな黙々と汗を流していた。

前夜にあったお酒の席で、僕は皆さんの写真を撮らせて頂くことを了承頂いていた。
あるおっちゃんは、仕事中に通りすがりの観光客にカメラを向けられるのは、
あまり気持ちが良いものではないと話していた。
彼らの仕事は観光の見せ物ではないのだから、当然の意見だと思う。
僕もそれはなんとなく空気で感じていたから、
今まで散歩中にキビ刈りのシーンを見かけても、
本当は撮りたいけれど、どうしてもカメラを向ける気になれなかった。
けれど、今回皆さんと知り合って「通りすがり」ではなくなった僕は、
晴れて了解の上でカメラを構えさせて頂くことになった。
(こうなると、今度はヘタな写真は撮れない気がして、勝手に緊張してたなぁ…)

波照間の仕事人たち。
サトウキビ刈り①@波照間島
サトウキビ刈り②@波照間島
サトウキビ刈り③@波照間島
サトウキビ刈り④@波照間島
サトウキビ刈り⑤@波照間島
サトウキビ刈り⑥@波照間島
サトウキビ刈り⑦@波照間島
サトウキビ刈り⑧@波照間島
サトウキビ刈り⑨@波照間島
サトウキビ刈り⑩@波照間島
サトウキビ刈り⑪@波照間島

バングラデシュでも感じたが、
真剣に仕事をしている人の姿は本当にカッコ良くて、
その表情にシャッターを切る瞬間は、実に気持ちいいんだよな~。

波照間島は、農業(サトウキビ)で生きている島だ。
逆に言えば、積極的に観光に頼らずとも、
(少なくとも今のところは)生きていける環境があるとも言える。
決して便利ではなく、物質的に豊かとは言えないかもしれないが、致命的な貧しさも無い。
だから、島の人々に訊くと「今のまま」を望む声がほとんどで、
実際にそれがある程度可能な条件が整っている。

それは、幸運なことかもしれないと思う。
貧しさ故に観光に頼らざるを得ず、
本来その土地が持っていた良さを失ってしまったケースもたくさん見てきたから。

石垣行きのフェリーに乗り込む時、
この旅に出て最も強く別れの寂しさを感じていたけれど、
次に来る時もきっと、この島は変わらぬ魅力で迎えてくれるだろうと思えるから、
僕は安心して波照間を後にすることができた。

この島で待っていた、数々の不思議で素敵な出会いを、僕はきっと忘れない。
そこに僕を導いてくれた波照間島と、
おじぃを始めお世話になった島の皆さんに、心からありがとう!

---------------------------------

ここで、お世話になった波照間のおじぃから頼まれたお知らせを。

波照間島でサトウキビ刈りの仕事を体験してみたい方を募集中です。
お手伝いしてくれる方には、
水道光熱費込みで部屋を無料で貸してくれるとのこと。

期間は、毎年12月頃~4月頃まで。

もちろん、日当もちゃんと出ます。
興味のある方には、参考までに僕が今回の体験で頂いた金額はお教えしますが、
単純に金額だけで比べるなら、街でバイトをしていた方がずっと良いです。
恐らく、お金目当てでやるような仕事でないことはわかって頂けると思うけど…。

けど、例えば「1回行ったらまた次の年も行かなきゃいけないかも?」とか、
そういう意味での重みを感じる必要は無いと思います。
島が若い労働力を欲していることは事実ですが、
僕がお世話になったおじぃの場合は、それだけを求めているわけじゃなくて、
純粋に外から来た若者との交流を楽しんでいるんですよね。
なので、「とにかく一度やってみたい!」という気持ちひとつあれば、温かく迎えてくれるはずです。
僕のような短期のお手伝いでも、もちろん大丈夫と思います。

もし興味が沸いた方は、ここのコメント欄でもいいし、
直接メールでも構わないので、質問でも何でも僕まで連絡を下さい。
本気で波照間に行く気になった時は、おじぃに紹介させて頂きますので。

ちなみに僕は、おじぃの指令で、
「次は彼女を連れて来なさい!1人だったら来るな!」と言われてしまったので、
早く2人で行けるようになんとかせねば…。(汗)
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テーマ:国内旅行記 - ジャンル:旅行

旅日記-日本 | 14:50:37 | トラックバック(0) | コメント(4)
コメント
なんじゃその約束(笑)
今年やろうとしているプロジェクトでもしかしたら話をしたら面白いのかもしれないと思った。
ただ各地方の詳細まではまだないから、その辺が出てきたら何か聞くかも~♪
ただまじめな内容にしておかないとまずい気はするけどね。
2010-05-05 水 16:21:53 | URL | たびかめ [編集]
>たびかめさん
約束と言うか…、指令です。忠実に実行せねばならんのです。

へぇ~、こういう話がネタになるんだ?
僕なんぞの体験談でも使えるものがあるなら、どうぞ使ってやって下さい。
2010-05-06 木 11:49:59 | URL | joplus [編集]
波照間島、日本の離島で行きたい島ベスト3入りしてます(笑)。
ドラマ見て行きたいなーと思いつつ、なかなか時間がなくていけませんでした。サトウキビ刈もやりたいと思ってたことなので、帰国したらおじい紹介してね♪
2010-05-06 木 14:49:29 | URL | がちゃ。 [編集]
>がちゃ。さん
石垣島までならまだしも、その先の離島となると、やっぱり遠く感じますよね。

映画やドラマを見てキビ刈りに興味を持っている方って、意外と多いんでしょうか?
僕は今回行くまでほとんど知らなかった世界だったのですが。

紹介はもちろんOKですので、まずは無事に帰って来て下さいね~☆
2010-05-06 木 22:44:43 | URL | joplus [編集]
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